人々の旅行スタイルも時代によって変遷していきます。
昨今、ますます旅行の価値が見直されつつあるのではないでしょうか。
近年では、観光によって地域の自然資源や文化資源が損なわれてしまう「オーバーツーリズム」が課題となっています。
そうした中、欧米を中心として新たなスタイルが提唱されています。
今回のコラムでは、注目されているアドベンチャーツーリズムとエコツーリズムについて紹介します。
①アドベンチャーツーリズム
アドベンチャーツーリズムとは、
「旅行者が地域独自の自然や地域のありのまま文化を、地域の方々とともに体験し、旅行者自身の自己変革・成長の実現を目的とする旅行」(日本アドベンチャーツーリズム協会のHP)
と説明されています。
もともとは、登山、トレッキング、ラフティングといった、自然の中で楽しむアウトドア体験を指していました。
最近は散策や異文化体験といった簡易的なツアーも含まれ、自然や異文化を対象としたアクティビティを総称しています。
地域に住む方々と一緒に体験することで、地域のことをより深く知ることができるのも魅力の一つです。
ありのままの自然や地域を体験することで、旅行者自身が変わるきっかけになるのがアドベンチャーツーリズムです。
②エコツーリズム
エコツーリズムとは、
「地域の自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のありかた」(環境省のHP)
と説明されます。
例えば、屋久島、知床半島、白神山地など、手つかずの自然の残されている地域でエコツアーが行われています。雄大な自然を体感しながらその保全活動について学びます。
他にも、農山漁村や里山といった身近な自然や文化を体験するツアーも開催されています。
地域固有の自然や歴史を体験しながら、それらを継承していくことの大切さを学ぶのがエコツーリズムです。
まとめ
今回紹介したツーリズムは、どちらも地域の自然資源や歴史文化を体験するものです。
調べていてわかったのは、
・アドベンチャーツーリズム:旅行者の自己変革や成長に重きをおく
・エコツーリズム:地域固有の自然や文化に重きをおく
ということでした。
こうしたツアーは求められている一方で、日本ではまだまだ事業者が限られているのが現状です。
今後は、資源保全と観光振興をどのようにバランスを取りながら、地域固有の価値を未来に継承していくことが大切です。